中国事業の発祥であるとともに、新合弁会社の設立で、ますます重要度の高まっている上海と、近年、
発展の著しい常州の3事業所を見学した。それぞれの概要と将来構想などを紹介する。
上海の港からは約20分、2つの空港からは30~40分(所有時間はいずれも車利用)。浦区政徳東路で上海 古島サポートが軒を並べている。検品は95年8月から、品質検査は今年4月からそれぞれ事業がスタート
した。後者が加わったことでトータルパワーが高まり、他社との差別化、オリジナリィティーが一段と 明確なものとなった。
上海サポートは、中国上海出入境検験検疫局との合弁会社で、董事長には古島邦男社長が、総経理には 古島一男専務が就任した。品質試験サービスを向上しトラブルを防止するのが設立の狙い。品質試験結果
については、毛検・上海試験センター名で鑑定証明書および品質試験報告書を発行している。
フルシマサイドが施設や人員などのハードを、毛検がソフトをそれぞれ提供し、両者の連携で運営している。 建物内はいくつもの部屋に分かれ、最新鋭のテスト機器がずらりと並ぶ。
「一般的に要求されるテストには、すべて対応できる」(毛検・幾原敏行理事長)内容になっている。
試験・処理能力は月当たり3000件。1件につき5つのテストを行うのが平均的なケースという。スタッフは 10人で、うち2人は毛検が派遣している。
上海古島では約200人が働き。月間で2万5000-3万枚の検品をこなしている。一般のラインのほか別室でベビー ウエア専用のラインを設けている。ここは他のスペースとは完全に隔離され、壁面はホルマリン吸収する
特殊な壁装材で覆われている。他の事業所もそうだが、確実、完全な検品がモットー。その一環として 検針機を1台増設し、7月からは4台体制とする。二重検針を行い、安全性を徹底追及する。
上海は中国事業発祥の地で、規模も大きいため、全中国のセンター的な役目も持つ。
定期的に他の拠点からも社員を集め、5日間程度のスケジュールで研修会を開いている。
常州古島は25人・200万枚(半期)でスタートし、年々、規模を拡大させている。
現在は150人を超える人たちが働き、昨年の実績は800万枚。今年は1000万枚を目指す。スタート時から黒字、 利益率はかなりの高水準という。対応アイテムはほとんどが布帛で、婦人のパンツがほとんど。
デニム比率が高く、全体の半分以上を占める。
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