多数の拠点を確立、そして、新たな分野にもチャレンジし、ファッション業界の裏舞台 をトータルでサポートする。こんな目標を掲げ、ファッションクロスフルシマ(古島邦男社長)が
中国戦略を加速している。同業他社と比べ、進出は出遅れた。が、後発のハンディをものとも せず、一気呵(か)成の積極策で事業拡大を進めている。
中国事業のスタートは95年。8月に上海古島時装有限公司(上海古島)を開設した。1年半後の97年3月 には青島時装有限公司(青島古島)を設立し、さらに99年5月には常州古島時装有限公司(常州古島)
を開業した。その後、分公司の形で00年には大連に、01年には珠海に進出した。
95年からわずかの間に北、中、南に拠点を確立、ネットワークを完成させた。
拠点多角化の次のテーマは事業内容のトータル化。今年4月に上海古島莎保得紡織品有限公司(上海 サポート)を設立。毛製品検査協会(毛検)と提携し、品質性能試験とその証明事業も開始した。
来年以降は各拠点で仕上げの強化や物流事業の体制構築にも着手、できるだけ早期に国内と同様に トータルサポートシステムを整備する方針だ。
中国事業の業績は順調に推移している。中国に進出した検品業者はかなりの数になるが、苦戦を 強いられているところも少なくないと言われる中にあって、数量は年々、確実な上昇を続けている。
各事業所とも利益を確保、黒字体質を固めている。仕上げは現在も行っている。が、通年的な事業には なっていない。高級商品にとっては不可欠の工程となる仕上げを増やし、付加価値の高いゾーンへ切り
込もうと期待が膨らんでいる。「国内と同じだけの設備、応用のきく機械が入っている。対応でき る範囲で、婦人を中心に伸ばしていく」(古島社長)。
物流については、今後3年間で何らかの形を整える方針。まず上海と珠海で今年から作業に入り、来年 は青島、次は大連というスケジュールを組んでいる。想定している事業範囲だが、全般とは考えて
いない。「本社との関連での物流。流通加工・ピッキングまで」(同)としている。アウトソーシング も活用し、手の届く範囲で事業内容を拡大させていく計画だ。
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